なぜスノーピークは“高くても売れる”のか?アウトドアブランドに学ぶマーケティング戦略

事例から学ぶシリーズ
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猫助
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こんにちは!猫助です。
今回の記事では、アウトドアブランドで明確な競争優位性を築いている【スノーピーク】から、ブランディング戦略について学んでいきます。

早速ですが、皆さんは休日などでキャンプに行くことはありますか?
私は田舎出身なので、小さい頃からよくキャンプに連れて行ってもらっていました。
キャンプに行く方なら知っていると思いますが、キャンプ用品は凄くお金がかかります。

何も無いところに生活空間を作り出すのですから、高くなるのは当たり前かもしれませんが、スノーピークは価格帯の高い業界でも、更に高価格帯でのマーケティングを成功させています。

今回の記事では、そんなスノーピークから「高くても売れるマーケティン手法」の極意を学んでいこうと思います!

この記事を読むと、、、
✔️高くても売れるメーカーのマーケティング戦略がわかる
✔️アウトドアブランドのマーケティグ戦略について説明ができるようになる
✔️ブランディング戦略を事例から理解できる

以下の記事でも、「高くても売れるマーケティング戦略」について触れていますので併せてインプットしておくことをお勧めします!

スノーピークとは?高級アウトドアブランドの成り立ち

出典:https://www.snowpeak.co.jp/about/

スノーピークは、日本を代表するアウトドアブランドの一つとして、国内外のキャンパーから絶大な支持を集めています。
一般的なアウトドア用品と比べて価格帯が高く、「なぜこんなに高いのに売れるのか?」と疑問を持たれることもしばしば。しかし、その答えはマーケティング戦略とブランド哲学の独自性にあります。

単なるアウトドア用品メーカーではなく、「自然とのつながり」「人間らしい暮らし方」といった価値観を提案するブランドとして、スノーピークは独自のポジションを築いてきました。

この章では、その原点となる創業背景やブランド形成のストーリーを解説していきます。

スノーピーク創業の背景と企業理念

スノーピークは、1958年に新潟県三条市で金物問屋として創業しました。
当時の創業者・山井幸雄氏は、自身が熱心な登山愛好者であったことから、「自分が本当に使いたい道具を、自分の手でつくる」という想いをもとに事業をスタートさせました。
これが、後の“ユーザー起点”のモノづくり哲学へとつながります。

現在は2代目社長である山井太氏がその精神を継承し、スノーピークを「単なるアウトドア用品メーカー」ではなく、「人間らしい自然との関わりを提案するライフスタイルブランド」へと成長させました。
その中核にあるのが、「人生に、野遊びを。」というブランドビジョンです。

この理念には、「テクノロジーに囲まれた現代人が、自然の中で人間らしい時間を取り戻すことの大切さ」が込められています。
つまりスノーピークは、機能を売るのではなく、“価値観”を売るアウトドアブランドなのです。

こうした哲学がマーケティングの土台にあるからこそ、価格競争に巻き込まれず、長期的にファンを獲得し続けることができています。

猫助
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日本のメーカーは、戦後の高度経済成長期に大量に品質の良いものを作って売るという成功パターンから抜け出せず、ユーザー起点ではなく技術力や品質を追求するという誤った方向性に行ってしまうことが多いです。

確かに、日本の品質は最高峰ですが、それがそもそもユーザーに求められている品質なのかどうかをまずは考えるべきです。その点で、スノーピークはユーザー起点でのマーケティング手法を取り入れており、それが成功要因であると考えられます。

“野遊び”というスノーピークの世界観の構築

スノーピークのマーケティング戦略を語る上で欠かせないのが、野遊び(のあそび)というキーワードです。
これは単なるアウトドアレジャーを指すのではなく、自然の中で人と人がつながり、心を解放するような“豊かな時間”を楽しむ生き方そのものを表現しています。

この「野遊び」という言葉をブランドの中核に据えたことで、スノーピークは他のアウトドアブランドとは異なる“文脈”を持つようになりました。
たとえばモンベルが「機能性と価格のバランス」を重視するのに対し、スノーピークは「自然体で過ごすことの気持ちよさや、自分らしい暮らし」を訴求しています。

スノーピークが開催するキャンプイベントや、直営キャンプフィールドの展開は、まさにこの「野遊び」の実体験の場。
製品を売るのではなく、世界観に共感してもらうことを目的としたマーケティング戦略です。

このように、“野遊び”という価値観を軸に据えることで、スノーピークは製品の魅力を超えて、ライフスタイルや哲学までも提案するブランドへと昇華しています。
これは、ニッチ市場でブランドロイヤルティを高める上で非常に有効な手法です。

スノーピークのマーケティング戦略:モノより“体験”を売る設計

スノーピークのマーケティング戦略において特徴的なのは、「製品スペックを前面に押し出すのではなく、その先にある“体験”や“感情の変化”を重視している」という点です。
高価格なアイテムにもかかわらず熱心なファンを獲得できているのは、まさにこの“体験価値”を売るブランディング設計の成果といえるでしょう。

この章では、「人生に、野遊びを。」というブランドメッセージを軸に、ユーザーとの接点をどのようにデザインし、どのようにして製品と感情を結びつけているのかを具体的に解説していきます。

「人生に、野遊びを。」というブランドメッセージ

スノーピークのマーケティング戦略において、最も象徴的なコピーが「人生に、野遊びを。」というブランドメッセージであることは、もう理解していると思います。
この言葉は、単なるキャッチコピーではなく、製品開発から顧客体験、イベント設計に至るまでの全てに貫かれた企業理念の体現です。

「野遊び」とは、ただ自然の中で遊ぶことではありません。
それは、自然と向き合い、家族や仲間との時間を大切にし、忙しない日常を離れて“人間らしさ”を取り戻すための営みと理解できます。
スノーピークは、こうした「野遊び」の時間を、人々の“人生の豊かさ”に直結するものとして位置づけています。

このような思想は、マーケティング戦略にも強く反映されています。
広告では製品の機能やスペックを語るのではなく、「自然の中で過ごす静かな朝」「親子で囲む焚き火」など、情景と感情に訴えるクリエイティブが中心。
まさに、消費者の共感を引き出し、ブランドへの愛着を育むコミュニケーション設計となっています。

この“言葉の力”によって、スノーピークは単なるアウトドア用品ではなく、「生き方そのものを提案するブランド」として、深くファンの心に根付いているのです。

出典:https://www.snowpeak.co.jp/sp/yamanomukou/

こちらはサントリーとの共同プロジェクトで、このようなマーケティング戦略はまさに、情景と感情に訴えかけるクリエイティブを象徴しています。
サントリーのマーケティング戦略に関しては、以下の記事で紹介していますので、併せてインプットしておきましょう。

ユーザー参加型コミュニティとキャンプイベントを活用したマーケティング

出典:https://www.snowpeak.co.jp/event/spw/

スノーピークのマーケティング戦略におけるもう一つの核は、ユーザーとのリアルな接点を通じてブランド体験を深めていく「ファンマーケティング」です。

代表的なのが、毎年開催される「Snow Peak Way(スノーピークウェイ)」というユーザー参加型キャンプイベント。
このイベントは、ただの製品プロモーションの場ではなく、スノーピークの製品を愛用するファン同士が自然の中で交流し、「野遊びのある暮らし」を共に体感する機会です。

企業側は販売ではなく共感を育む場を提供することで、ユーザーに“体験としてのブランド”を浸透させています。
こうした場では、製品の使い心地だけでなく、企業理念や世界観に直接触れることができるため、単なる顧客を「共創するファン」へと転換する効果を生んでいるのです。

また、スノーピークはSNSを通じたユーザーの発信にも積極的に反応し、顧客とブランドが双方向で関係を築ける設計を重視しています。
この“つながりのあるブランド体験”は、デジタルだけでは実現できないリアルなブランド愛を醸成する上で、極めて重要な役割を果たすマーケティング戦略なのです。

つまりスノーピークは、製品や広告だけに頼らず、人と人との関係性をブランド資産として構築しているのです。

猫助
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スノーピークは「ファンマーケティング」の成功事例として業界ではかなり有名です。
ファンマーケティングとは、顧客との継続的な関係性を重要視するマーケティング手法で、新規顧客を獲得するよりも、既存の顧客との関係性を強化する方が、最終的な利益に効果的という考え方です。

新しく顧客を獲得するよりも、既存顧客に注力した方が、コストもかからないしメリットも大きいですよね。

スノーピークはなぜ“高くても売れる”のか?マーケティング戦略の詳細

アウトドア用品といえば、手ごろな価格で買える実用性重視のアイテムが多い中、スノーピークは異例の存在です。
テントひとつで10万円超、シェルターは20万円を超えるものもあり、明らかに“高級路線”をとっています。

にもかかわらず、多くのユーザーがその価格を受け入れ、さらにはリピーターになっていく。
そこには、単なる価格設定ではなく、明確な「価値設計」の思想と、顧客との信頼構築に基づいたマーケティング戦略が存在します。

この章では、スノーピークが「なぜ高くても売れるのか?」を、価格・品質・体験の3軸から読み解いていきます。

スノーピークが高価格帯でも選ばれる理由

スノーピークが“高価格”にもかかわらず支持されている最大の理由は、価格以上の納得感と物語性をユーザーに提供している点にあります。
単に「高い=良いもの」ではなく、この価格である理由がブランドの哲学や体験設計と強く結びついているのです。

たとえば、スノーピークのプロダクトはすべて「永く使い続けられる」ことを前提に設計されています。
頑丈なステンレス素材、精密な接合部、洗練されたミニマルデザイン。これらは長期使用に耐え、経年劣化が“味わい”となる設計思想に基づいています。
さらに、壊れた際は修理対応が可能というアフターサービス体制も、長期的な信頼関係構築に役立っています。

また、製品が生まれる背景やストーリーが非常に明確で、ユーザーは“単なる商品”ではなく“価値観”を買っていると感じられる仕掛けになっています。
これは、ブランドメッセージやイベント体験、製品紹介のビジュアルなど、すべてが「人生に、野遊びを。」という世界観と統一されているからこそ成立しています。

つまりスノーピークの価格は、モノの価格ではなく“生き方の提案”としての価格
その価値を理解したユーザーは、単に比較・検討の対象としてではなく、信頼できる“相棒”としてスノーピークの製品を選んでいるのです。

“価格以上の価値”を生むスノーピークのブランディング力

スノーピークが高価格帯でもユーザーに選ばれ続けている背景には、製品自体のスペックを超えた「意味の付与」があります。
この「意味の付与」こそが、スノーピークのマーケティングにおける最大の武器――ブランディングの力です。

たとえば、同じような機能を持つアウトドアチェアであっても、スノーピークの商品には「自然の中でくつろぐ、特別な時間を演出する」という情緒的価値が宿っています。
それは、企業の思想・世界観・メッセージ・店舗体験・イベント…すべてが一貫性を持ってブランド価値を形成しているからです。

このようなブランディングは、価格のハードルを心理的に下げ、「この製品を選ぶことが、自分の価値観の表明になる」というポジティブな認知を生み出します。
つまりユーザーは、製品を買っているのではなく、“ブランドの姿勢”や“生き方への共感”を買っているのです。

さらに、スノーピークは大量の広告投下に頼るのではなく、体験・共感・つながりをベースにしたマーケティングを長年かけて積み重ねてきました。
これにより、価格ではなく価値で選ばれるブランドポジションを確立しているのです。

結果としてスノーピークは、「高価格」ではなく「高価値」のブランドとして、顧客の心に深く根付き続けています。

猫助
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このようなスノーピークの高付加価値を生み出すマーケティング手法には脱帽です。
すぐに真似できるような簡単なものではないですが、取り入れられるマーケティング戦略はたくさんありそうですね。

まとめ:スノーピークに学ぶ、共感と体験で差をつけるマーケティング

スノーピークが“高価格”にもかかわらず支持されている最大の理由は、価格以上の納得感と物語性をユーザーに提供している点にあります。
単に「高い=良いもの」ではなく、「この価格である理由」がブランドの哲学や体験設計と強く結びついているのです。

たとえば、スノーピークのプロダクトはすべて「永く使い続けられる」ことを前提に設計されています。
頑丈なステンレス素材、精密な接合部、洗練されたミニマルデザイン。これらは長期使用に耐え、経年劣化が“味わい”となる設計思想に基づいています。
さらに、壊れた際は修理対応が可能というアフターサービス体制も、長期的な信頼と所有満足を支えています。

また、製品が生まれる背景やストーリーが非常に明確で、ユーザーは“単なる商品”ではなく“価値観”を買っていると感じられる仕掛けになっています。
これは、ブランドメッセージやイベント体験、製品紹介のビジュアルなど、すべてが「人生に、野遊びを。」という世界観と統一されているからこそ成立しています。

つまりスノーピークの価格は、モノの価格ではなく“生き方の提案”としての価格
その価値を理解したユーザーは、単に比較・検討の対象としてではなく、信頼できる“相棒”としてスノーピークの製品を選んでいるのです。

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猫助のインプットアカデミーでは主にマーケティング戦略を中心としたものにフォーカスしていますが【Schoo】ではビジネスの基礎知識から、データ分析などの専門的知識までを網羅的にインプットできます!

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