
こんにちは、猫助です!
早速ですが、みなさんマーケティングにおける4Pというフレームワークはご存知ですよね?
製品(Product)、価格(Price)、チャネル(Place)、販促(Promotion)の四つの観点からマーケティングミックスを考えることで、市場で競争力を得ることを目的としたフレームワークです。
しかし、現代のマーケティングの世界では、この4Pでは限界があると議論されています。
そこで、提唱され多くの学者や実業家から支持されているのが従来の4Pに人(People)、サービス提供のプロセス(Process)、物的証拠(Physical Evidence)の三つを加えた7Pというフレームワークです。
もしあなたが所属する会社や経営する会社で、顧客満足度の向上と市場での競争優位を目指すなら、サービスマーケティング7Pの概念をしっかりと理解し、実践することが必要です。
本記事では、7Pが持つ役割とその効果的な活用方法について具体的に説明していきます!!
この記事を読むと
・サービスマーケティング7Pの基本がわかる
・サービスマーケティング7Pの実践方法がわかる
・サービスマーケティング7Pの成功事例がわかる
7Pについて学ぶ前に、このフレームワークの元になっている
サービス・ドミナント・ロジックや価値共創マーケティングの考え方をインプットしておきましょう。
サービスマーケティング7Pの概要
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まずはサービスマーケティング7Pの概要からおさえていきましょう!
サービスマーケティングとは?
サービスマーケティングとは、
「有形の製品もサービスを提供するためのアバターであり、有形の財も無形の財もサービスとして捉えるマーケティングの考え方」です。(詳しくはサービス・ドミナント・ロジックの記事で説明しております。)
このマーケティング手法では、顧客が価値を実感して初めてそのサービスに価値があると判断されるため、顧客の体験が重視されています。
そのため、サービスマーケティングの戦略では、顧客との接点を最大限に活用する必要があります。
サービスマーケティングの7Pは、これを達成するためのフレームワークであり、各要素がサービスの質と顧客満足度に直接影響を与えます。
サービスマーケティング7Pの重要性
7Pの概念は、サービス業において顧客の期待を超える体験を提供するためのフレームワークです。
これらの要素は相互に関連し合い、バランスの取れたマーケティング戦略を構築するために不可欠です。
7Pを適切に活用することで、サービスの競争力を高め、長期的な顧客関係を築くことができます。

それでは、7Pのそれぞれの要素を詳しくインプットしていきましょう。
4Pについては基本の復習がてら、おさらいしていきます。
もう十分知ってるよ!!って方は読み飛ばしても構いません。
Product(製品/サービス):サービスマーケティング
まずはProductから説明していきますが、サービスマーケティングにおけるProductにはサービスも含まれます。
サービスマーケティングにおけるサービスの特徴と設計
サービスの特徴は、顧客のニーズに合わせて柔軟に設計されることが重要です。
サービスの設計には、提供する価値、ターゲット市場、競争環境などを考慮する必要があります。
顧客が期待する価値を提供するために、サービスの特徴を明確に定義し、他社との差別化を図ることが求められます。
詳しくは、STPフレームワークで学びましょう。STPのポジショニングのPと4Pの製品のPは、概念的には同義です。基本的なマーケティングミックスはSTP→4Pの順序で導かれます。
サービスマーケティングにおける顧客ニーズへの対応
サービスマーケティングにおいて顧客ニーズに対応するためには、継続的な市場調査と顧客フィードバックの収集が重要です。
顧客の期待や要望を正確に把握し、それに応じたサービスを提供することで、顧客満足度を向上させることができます。
また、顧客ニーズの変化に迅速に対応する柔軟性も必要です。
Price(価格):サービスマーケティング
顧客は価格を見て最初からサービスへ興味を失うこともあります。
みなさんもまず価格から確認することが多いですよね?
したがって、適正な価格でサービスを提供することはかなり重要になってきます。
価格設定のマーケティング戦略
価格設定は、顧客に提供する価値とコストのバランスを取る重要な要素です。
価格戦略には、コストプラス法、競争価格法、需要価格法などがあります。
適切な価格設定を行うことで、顧客に適正な価値を提供しつつ、利益を最大化することができます。
価格とブランディングの関係性については下記の記事で具体的な事例とともに紹介しているので、併せてインプットしておきましょう。
価格と価値のバランス
価格と価値のバランスを取ることは、顧客が支払う金額に対して満足度を感じるかどうかに直結します。
顧客が価格に見合った価値を感じられるよう、サービスの品質や提供される追加価値を考慮した価格設定を行うことが重要です。
また、サービスマーケティングにおいては、この「価値」という言葉に対してはかなりシビアに考えています。
価値を決めるのは顧客であり、企業は価値を「提供」することはできず、「提案」することしかできないと言われています。
これは、究極の顧客志向であり、従来の「作って売る」というマーケティング手法を根本から覆す考え方となっております。
Place(チャネル):サービスマーケティング
顧客との接点になるチャネルはマーケティングにおいて欠かせない存在になります。
チャネルの数と質は顧客獲得の大前提になるので、マーケティングにおいてチャネルの設定とそのマーケティング戦略は一番重要と言いっても過言ではありません。
サービス提供のチャネル
サービス提供のチャネルは、顧客がサービスにアクセスする方法を指します。
オンライン、オフライン、モバイルなど、多様なチャネルを活用することで、顧客の利便性を向上させることができます。
適切なチャネルを選定し、顧客がスムーズにサービスを利用できる環境を整えることが重要です。
ここで、オムニチャネルというマーケティング手法を紹介します。
オムニチャネルとは、チャネル間をシームレスに連携し、顧客がどのような状況においても、顧客体験を損なわずに購買行動が行える状態を目指すマーケティング手法です。
具体的には、ユニクロがオムニチャネルの成功事例として世界的に知られているので、以下の記事でインプットしておくことをお勧めします。
効果的な流通戦略
効果的な流通戦略を構築することで、サービスの提供速度と品質を向上させることができます。
物流の効率化、パートナーシップの構築、供給チェーンの最適化などを通じて、顧客に迅速かつ高品質なサービスを提供することが可能になります。
物流に関しては、消費者として受け取る身近なAmazonのサービスやクロネコヤマトなどをイメージすると思いますが、世の中の物流のほとんどは事業者向けの物流が占めており、マーケティング戦略において物流は避けて通れないものとなっております。
Promotion(販促):サービスマーケティング
プロモーションは、人々がそのサービスに興味を持つかどうかを決定します。
適切なプロモーションはサービスの好意形成→購入まで繋がるので、適切な戦略を選択することが重要です。
広告と販売促進
広告と販売促進は、サービスの認知度を高め、顧客の興味を引きつけるための重要な手段です。
これは、皆さんもイメージしやすい「ザ・マーケティング」というイメージです。
効果的な広告戦略を立てることで、ターゲット市場に対して強力なメッセージを発信し、サービスの利用を促進することができます。
また、ただ情報を伝達するだけではなく、販売促進キャンペーン等を通じて、顧客一体型でのマーケティング戦略を展開し、購買意欲を刺激することも重要です。
顧客とのコミュニケーション
顧客とのコミュニケーションは、信頼関係を築き、長期的な顧客関係を維持するための鍵です。
ソーシャルメディア、メールマーケティング、カスタマーサポートなど、多様なコミュニケーション手段を活用することで、顧客の声を聞き、迅速に対応することができます。
ここでは、現場との連携や個別のインタビューにおいてn=1レベルで顧客の声に向き合うことが求められています。
データドリブン的なマーケティング手法も重要ですが、サービスマーケティングにおいては顧客一人一人と向き合う手法が最も重要とされております。

顧客とのコミュニケーションを怠ってデータのみに頼るマーケティングでは確実に市場を掴みきれません。
これは、優秀な企業のマーケティング部では、毎日のように顧客インタビューを行い、リアルな市場の声を掴みに行っています。
「ビルの中」では市場を捉えることはできない。というフレーズはサービスマーケティングにおいて良く出るものなので、この意識を持っておくことはかなり重要ですね。
People(人):サービスマーケティング
ここからが、サービスマーケティング7Pの新しい考え方になってきます。
まずは「人」ですが、例えば、スターバックスのブランドの大部分を構築しているのは店頭の店員であるということはマーケティング業界においては有名な話です。
それほど、顧客と直接コミュニケーションをとる従業員は重要な存在になってきます。
サービスマーケティングにおける従業員の役割
従業員は、顧客に直接サービスを提供する重要な存在です。皆さんも店舗で買い物をする際に、無愛想な店員がいたら、その商品やブランドまでマイナスなイメージを持ってしまいますよね。
つまり、従業員のスキルや態度は、顧客の満足度に大きく影響するというわけです。
従業員教育やトレーニングを通じて、高品質なサービスを提供できる体制を整えることが重要です。サービスマーケティングにおいては、企業から従業員に行われる「インターナルマーケティング」というマーケティング手法があります。
従業員の満足度を高めることで、従業員と直接関わる顧客の満足度も上げるという考え方です。
これを、「インタラクティブマーケティング」と呼びます。

従業員が楽しく、やりがいを持って働けると、顧客対応の質が向上し、顧客満足度も向上しますよね。
これは、店舗配属の方や、学生時代に接客のアルバイトを経験した方ならよくわかるのでは無いでしょうか?
顧客との関係構築
顧客との関係構築は、リピーターを増やし、ブランドの忠誠度を高めるための重要な要素です。
パーソナライズされたサービスや定期的なフォローアップを行うことで、顧客の信頼を獲得し、長期的な関係を築くことができます。
顧客と関係構築ができている従業員がいることで、最高峰のパーソナライズされた体験を提供することができます。
従業員のレベルが高ければ高いほど、その従業員だからそのブランドを使うという顧客が増え、長期的な企業の利益に直結します。
それほど従業員1人の力は、企業のマーケティング戦略においてかなり重要になってくるのです。
顧客と向き合う前に、従業員現場の一人一人と向き合うことの方が最終的な売上というゴールに向けては重要とも言えます。
Process(プロセス):サービスマーケティング
プロセスという考えは、顧客がサービスを受容するその瞬間だけでなく、サービスや商品が生産される前の考案するタイミングから、サービスや商品が提供された後まで、そのプロセス全体を管理するという考え方です。
サービス提供のプロセス管理
サービス提供のプロセス管理は、サービスの質を維持し、効率的に提供するための重要な要素です。
今まではカスタマージャーニーのみを重要視していましたが、社内体制や顧客がサービスを受容したその後までを包括的に管理し、コントロールするべきという考え方が重要視されています。
前の章での触れた従業員へのマーケティングである「インターナルマーケティング」もここでは重要になってくるというわけです。
社内体制から顧客への価値提供とその後のフォローまでの標準化されたプロセスを確立し、継続的に改善を行うことで、顧客に安定したサービスを提供することができます。
カスタマージャーニーについては以下の記事で解説しています。
サービスマーケティングにおけるプロセスの最適化
プロセスの最適化は、リソースの効率的な活用とコスト削減を実現するための鍵です。
プロセスの見直しと改善を通じて、サービス提供の速度と品質を向上させることができます。
より、少ない資源でサービスを提供することで引くか価格で顧客にサービスを提供できるもしくは、営業利益の増加を目指せるというメリットがあります。
Physical Evidence(物的証拠)
無形のサービスや、ブランドなどの無形なものに、有形なもの付与し、それをアバターとして活用することで、顧客の意識をそこに集中させるという考え方があります。
サービスの物理的な要素
サービスの物理的な要素は、顧客に対する第一印象を形成します。
店舗のデザインや設備、ユニフォームなど、物理的な要素を整えることで、顧客に安心感や信頼感を与えることができます。
顧客に与える印象
顧客に与える印象は、サービスの成功に直結します。
サービスの質だけでなく、提供される環境や雰囲気も顧客の満足度に影響を与えます。
顧客にポジティブな印象を与えるために、物理的な要素を整えることが重要です。
よくある疑問点
Q1: サービスマーケティング7Pはどのようにして実践すれば良いですか?
サービスマーケティング7Pを実践するためには、まず各Pの役割と重要性を理解することが必要です。
その後、顧客のニーズに基づいて戦略を立て、継続的に評価と改善を行うことで、効果的なサービス提供を実現できます。
Q2: 価格設定において注意すべきポイントは何ですか?
価格設定においては、コスト、競争環境、顧客の価値認識などを考慮することが重要です。
適切な価格設定を行うことで、顧客に適正な価値を提供し、利益を最大化することができます。
Q3: サービス提供のプロセスを改善するためにはどうすれば良いですか?
サービス提供のプロセスを改善するためには、まず現在のプロセスを詳細に分析し、ボトルネックや非効率な部分を特定します。
その後、標準化された手順を確立し、継続的に評価と改善を行うことで、サービスの質と効率を向上させることができます。
まとめ
サービスマーケティング7Pは、サービス業における成功の鍵となるフレームワークです。
Product(製品/サービス)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)、People(人)、Process(プロセス)、Physical Evidence(物的証拠)の各要素が、顧客に提供する価値を最大化するために重要な役割を果たします。
これらの要素を効果的に組み合わせることで、顧客満足度を向上させ、競争優位を確立することが可能です。
経営者やマーケターとして、7Pの各要素を深く理解し、適切に活用することで、自社のサービス提供の質を高め、顧客に選ばれるサービスを提供することを目指しましょう。
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